1899年(明治32年) 東京両国で薪炭商を営む木内弥吉は、炭の小分け販売用の袋貼りに使う糊がすぐに腐ってしまうことに困っていた。

その当時は、糊の保存が効かないため、自分で作るか、“糊売り”のいる番小屋で使う分だけを買っていた時代であった。

木内弥吉は、糊が腐らないようにする為に、当時の識者の知識を集め、初めて防腐剤を使用。

さらに、その刺激臭を消すため香料を入れた。
原料には精選された米の純粋澱粉を使い、湯煎により熱を加え均質の糊を造った。
腐らず、よい香りがし、そして固まらずに保存の効く糊を完成させた。

大八車にヤマト糊をのせて、会社、学校、銀行、郵便局などへ販売を開始。
これが「ヤマト糊」起業の原点。

日本一の糊にしたいという願い。そして、「商売が大当たりしますように」という祈りを込めた、丸的に当たり矢のマーク(矢が的にあたる)、つまりそのまま矢的(ヤマト)と命名。また、日本の旧国名にもかけている。
当時、社名・商標に片仮名を採用するのは、画期的な出来事であった。

木内弥吉商店を呉服繊維商・長谷甚商店がM&A。
“ヤマト糊”ののれんを引き継ぎ新たなヤマト糊本舗の歴史が始まった。
固まらず香りのよい、腐らない糊は徐々に評判をあげ、シェアを獲得する。

1923年(大正12年) ポスターのモデルに人気女優栗島すみ子を起用。
この時「ヤマト糊」を商標登録し、販路を拡大する。

また、当時芝居・劇場などで使う緞帳や、有名浪曲師が使う演台掛けにヤマトマーク入りのものを寄贈し、全国巡回公演に使用して宣伝をした。

1939年(昭和14年) 戦争逼迫の社会的情勢のなかで、米穀配給統制令公布。
米をはじめ、馬鈴薯、甘藷、とうもろこしなど食料となる澱粉すべてが統制となり、糊の原料として使用出来なくなった。

やむなく、ヒガン花、ダリヤなどの球根から澱粉を抽出し、糊の原料として使用した。従来の加熱(煮る)による製法から、全く発想を変えた、加熱をしない化学的処理により、異なった種類の非食品澱粉を混合。

より強力で劣化しない澱粉糊を製造する製法“冷糊法”を完成させた。この製法は、後に製法特許を1950年(昭和25年)に取得した。

1942年(昭和17年) 東洋食品工業株式会社をM&A。
乾燥五目飯の素、干飯などを生産、海軍に納入する。
諸事困難な戦争中に、こうして糊口を凌ぐ。

1952年(昭和27年) 携帯に便利なチューブ入り、1958年(昭和33年)ボトル型プラスチック容器が誕生。当時の新素材であるプラスチックを使用した容器は、ガラス容器の3倍のコストとなった。

しかし、ヤマト糊の「重たい」「割れる」というイメージを一挙に払拭し、プラスチック容器使用の先駆けとなった。

ヤマトが掲げる基本ポリシーは「ものとものとをくっつけ合わせることにより、新しい価値あるものを見出す」

のり、接着剤、粘着・接着テープ、修正テープ、反射テープ、各種粘着接着加工品など……。その基本理念から選ばれた商品群。

液状のりの代名詞「アラビックヤマト」が世に出たのは1975年(昭和50年)。オフィス・家庭・学校用糊の主流を変えた。

エル、さかだち、補充用を始め16種類。
手を汚さず、持ちやすさも工夫したボトル、のりの力を活かすその秘密はスポンジヘッド。不思議な不思議なアラビック。

「接着」の持つ限りない可能性を確かな形で提供する。高い精度を必要とする加工の分野へ。
低コスト、省力化の主役としてエレクトロニクスの分野へ。

原子力、自動車関連、製紙、ITなどさまざまな分野で技術フィールドを広げ、歩み続けている。

1986年(昭和61年)9月 米国ミシガン州フラットロックにY.I.C.を設立し、トヨタ、フォード、マツダ、ホンダを始めとする自動車工業界への内装部品およびボディー・バンパー塗装マスキングの製造加工工場を建設し、生産を開始する。
現在は、同州ウッドヘブンの新工場で生産している。

※Y.I.C.=Yamato International Co.,LTD.

1990年(平成2年) 世界的なボーダレス化のニーズに応えるためタイにアラビックヤマトの生産を担うY.I.T.C.を設立。国内の産業及び地域社会に貢献し、タイ国より表彰される。アラビックヤマトの品質はこの工場で保たれている。

※Y.I.T.C.=Yamato International Thailand Co.,LTD.

シンガポールを拠点とするY.I.S.(1995年-平成7年2月)タイを拠点とするY.I.D.T.(1996年-平成8年3月)を設立し、東南アジア地域に生産部門を展開中のお客様のニーズに応えるため、工業用テープ、粘着・接着加工品、その他関連製品の販売をし、世界に向かってヤマトの技術を広めている。

※Y.I.S.=Yamato International Singapore Pte LTD.
※Y.I.D.T.=Yamato Industry Thailand Co.,LTD.

環境保全社会に向けた取り組みとして、環境への負担の少ない仕様、材質などの製品開発を重要課題にし、地球環境にやさしい商品を提供していきます。

1998年(平成10年) ヤマトでは「グリーン購入ネットワーク」に加盟し、できることから地球環境保護に取り組んでいます。

1999年(平成11年) 地域営業所を廃止し、通信情報システムを活用し、フロントオフィス(F.O.)を展開。物流・商流・営業の効率化を目的としたリアルタイムな情報、迅速な業務の処理、スピーディーな物流と時代の変化に対応するシステムの構築を図り、顧客サービスの向上、また社内の活性化につながっている。

1999年(平成11年)5月 Y.I.C.でISO9002を取得。
顧客の期待に応える品質が国際的に認められた。

1999年(平成11年)10月文具業界への功績が認められ、全国文具事務用品団体総連合殿より「文具貢献大賞」を受賞。

Y.I.C.は、1990年(平成2年)マツダ自動車工業USA殿、
1999年(平成11年)トヨタ自動車工業CAN殿より、エクセレントサプライヤーとして認証を受ける。

Y.I.T.C.は、1991年(平成3年)「ベストファクトリー賞」をタイ工業団地公団殿より受賞。

Y.I.S.は、2000年(平成12年)3月「Delivery Award」をSONY INDIA LTD.殿より受賞。

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